皆さんこんにちは。都市環境サービスの前田です。今回のテーマは「ペットボトルをリサイクルする何になる?」です。皆さんが日常的に使用するペットボトル、何気なくゴミに捨てているけれど、その後どうなっているか気になったことはありませんか?
実はペットボトルは、正しくリサイクルすることで再び私たちの生活に戻ってくるんです。ゴミとして処理するのはもったいない!本記事では、ペットボトルはどんなものに生まれ変わるのか、再生品についてくわいく解説していきます。
目次は以下の通りです。
① ペットボトルをリサイクル!何になる?
② どうやってリサイクルするの?
③ 2つのリサイクルパターン
④ 上手な分け方を覚えよう
⑤ 日本はリサイクル名人
⑥ ペットボトルキャップも大活躍!
⑦ 見つけてみよう!再生製品
⑧ ペットボトルリサイクルの未来
ペットボトルをリサイクル!何になる?
ペットボトルは使い終わった後、驚くほどさまざまな製品に生まれ変わります。
①また新しいペットボトルに
使い終わったペットボトルが、新しいペットボトルにリサイクルされることを「ボトルtoボトル」または「水平リサイクル」と呼びます。この方法では、まずペットボトルを細かく砕いてフレーク状にます。
そして異物を完全に除去した後、石油から作るペットボトルと同じ品質のきれいなペットボトルを作ることができるんです。2023年度の統計では、国内でリサイクルされたペットボトルの約30%が新しいペットボトルになっています。
②着ている服になる
ペットボトルから作られる再生ポリエステル繊維は、様々な衣類に生まれ変わります。ワークウェア、白衣、アウター、ネクタイ、肌着、バッグなど、私たちが日常的に身につけるものの多くがペットボトル由来の可能性があるんですよ。
再生繊維として有名な「ECOPET」は1995年から販売されており、国内のリサイクル繊維で最も長い歴史を持っています。速乾性や保温性などの機能性も備えており、品質の面でも優れた素材として活用されています。
③お肉や卵のパックに
スーパーでよく見かける食品トレーや卵パックは、ペットボトルから作られることが多いんです。ペットボトルで再商品化されたもののうち、約40.7%がこうしたシート類になっています。食品用中仕切り、カップ麺のトレイ、防草シート、学校で使う下敷きなども含まれます。これらの製品は、もともとペットボトルだったとは思えないほど自然な仕上がりになっているんですよ。
④家で使うものに
家庭でよく使う日用品の多くも、ペットボトルからリサイクルされています。台所用洗剤ボトル、セロテープ台、定規、リサイクルボックスなどの成形品として活用されています。
また、カーペットやクッション材、自動車の内装材なども含まれ、私たちの生活空間を快適にする製品として重要な役割を果たしているんです。特に洗剤ボトルは、元のペットボトルと同じような形でありながら、全く違う用途で新たな価値を提供しています。
⑤大きな建物や車の部品
ペットボトルは産業用途でも活用されています。建築用材料、自動車部品、結束バンドなどの成形品として使われ、大規模な建設現場や工場でも重要な役割を担っているんです。これらの用途では、ペットボトル由来の素材が持つ軽量性と強度を活かし、効率的な製品作りに貢献しています。
どうやってリサイクルするの?
ペットボトルがリサイクル製品になるまでには、いくつかの工程があります。
家から工場まで
ペットボトルのリサイクルは、私たちが家庭で分別することから始まります。分別されたペットボトルは自治体が回収し、中間処理施設に運ばれます。そこで「ベール化」と呼ばれる圧縮作業が行われ、輸送効率を高めるためにコンパクトにまとめられるんです。
その後、リサイクル工場に運ばれて本格的な処理が開始されます。日本では市町村系と事業系の2つのルートで回収されており、2023年度の回収率は92.5%という高い水準を達成しています。
小さくして作り直す
リサイクル工場では、まずペットボトルを細かく砕いてフレーク状にします。このフレークを洗浄して不純物を取り除いた後、熱で溶かして「ペレット」と呼ばれる小さな粒状にします。このペレットが新しい製品の原料となり、用途に応じて様々な形に成形されます。例えば、新しいペットボトルにする場合は、ペレットを溶かして「プリフォーム」という試験管のような形にし、その後高圧空気で膨らませてボトルの形にします。
2つのリサイクルパターン
ペットボトルのリサイクルには、大きく分けて2つの方法があります。
同じものにリサイクル
「水平リサイクル」または「ボトルtoボトル」と呼ばれる方法では、ペットボトルから再び同じ品質のペットボトルを作ります。この方法の最大のメリットは、何度でも繰り返しリサイクルできることなんです。
新しく石油から作る場合と比べて、CO2排出量を約60%削減できる効果もあります。しかし現在、ボトルtoボトルの比率は全体の約30%に留まっており、業界では2030年までに50%を目標に掲げているんですよ。
違うものにリサイクル
「カスケードリサイクル」では、ペットボトルを食品トレーや衣類など、異なる製品にリサイクルします。リサイクル過程で品質の劣化が起こるため、その品質に適した製品として再利用されます。現在、リサイクルされるペットボトルの大部分がこの方法で処理されており、シート類40.7%、繊維製品16.5%などの割合で様々な製品に生まれ変わっているんです。
上手な分け方を覚えよう
リサイクルを成功させるためには、正しい分別が欠かせません。
簡単5つのステップ
ペットボトルの正しい分別方法は以下になります。
1.PETマークの確認
「PET」マークがついているボトルが対象です
2.キャップを外す
必ずキャップを取り外してください
3.ラベルを剥がす
できるだけきれいにラベルを剥がしましょう
4.中をすすぐ
軽く水洗いして乾燥させてください
5.横につぶす
横方向に軽く圧縮して出してくださいね
キャップの下に残るリングは、取り外しが困難なため無理に外す必要はありません。事業者がリサイクル過程で適切に処理します。各自治体によってルールが若干異なる場合があるため、お住まいの地域の指示に従って排出することが大切なんです。
これはダメ!注意点
リサイクルを妨げる行為は以下になります。
・中身を残したまま: 内容物が残っていると品質が損なわれます
・異物の混入: タバコの吸い殻や油汚れがあるとリサイクルできません
・ハサミで切る: 切断されたペットボトルはリサイクル対象外です
・縦方向につぶす: 機械での選別に支障をきたします
これらの行為は、作業員の安全を脅かす可能性もあります。異臭の原因となったり、ガスが溜まってキャップを開けた際に破裂する危険性もあるため、必ず正しい方法で排出してくださいね。
日本はリサイクル名人
日本のペットボトルリサイクルは世界でもトップクラスの成績を誇っています。
すごい!85.0%の成績
2023年度の日本のペットボトルリサイクル率は**85.0%**を達成しました。これは目標として掲げている「85%以上の維持」を上回る優秀な成績なんです。
回収率に至っては92.5%という非常に高い水準を維持しており、市民の分別意識の高さと効率的なシステムの成果が表れています。この高いリサイクル率を支えているのは、1995年に制定された容器包装リサイクル法による、消費者・市町村・事業者の三者協力体制です。
世界と比べてみると
日本のリサイクル率を他国と比較すると、その優秀さがよくわかります。ヨーロッパが約42.7%、アメリカが約19.6%という中で、日本の85%は圧倒的な数値なんですよ。
この差は、日本独自の分別システムと国民の環境意識の高さによるものです。海外では色付きのペットボトルが多く使われていますが、日本では無色透明に統一することで、効率的なリサイクルを実現しています。
地球にやさしい効果
ペットボトルのリサイクルは環境に大きな良い影響を与えています。
空気をきれいに
ペットボトルをリサイクルすることで、CO2排出量を大幅に削減できます。リサイクルありの場合とリサイクルなしの場合を比較すると、年間で約45%、143万トンものCO2排出量を抑制できているんです。
これは自動車約61万台分の年間排出量に相当する膨大な量です。特にボトルtoボトルリサイクルでは、新規に石油から製造する場合と比べて60%のCO2削減効果があります。
大切な資源を守る
ペットボトルのリサイクルは、石油資源の節約にも大きく貢献しています。石油は限りのある貴重な資源であり、無計画な消費を続けると将来的に枯渇するリスクがあるんです。
リサイクルによって新たな原料の採掘や生産が不要になるため、次世代のために大切な地球資源を保護することができます。また、廃棄物の量を減らすことで、埋め立て地の負担軽減にもつながっています。
ペットボトルキャップも大活躍!
ペットボトルと一緒に取り外されるキャップも、実は重要なリサイクル資源なんです。
車の部品になる
回収されたペットボトルキャップは、自動車部品として生まれ変わることが多いんです。主に高密度ポリエチレン(HDPE)やポリプロピレン(PP)でできているキャップは、バンパーや内装材などの自動車部品にリサイクルされています。
キャップを粉砕して再生ペレットにした後、自動車の樹脂部品の材料として利用されているんですよ。この技術により、新しいプラスチックを作る必要が減り、環境負荷の軽減に貢献しています。
身近な製品に
ペットボトルキャップからは、私たちの身近な製品も作られています。粉砕したキャップから玩具やボールペンなどの文房具が作られているんです。また、クレート(運搬用の箱)や建材、ゴミ箱やバケツなど、日用品へのリサイクルも積極的に行われています。
キャップのリサイクル活動を通じて、開発途上国へのワクチン支援など社会貢献活動も行われており、捨てるはずのキャップが世界の子どもたちを救う活動にもつながっているんですよ。
見つけてみよう!再生製品
身の回りには、ペットボトルからリサイクルされた製品がたくさんあります。
特別なマークがある
ペットボトルを一定基準以上使用した製品には「PETボトルリサイクル推奨マーク」がついています。このマークがついた登録商品数は2019年度に459品となり、前年より115品も増加したんです。
使用済みペットボトルが25%以上使用されている製品に付けられるこのマークを見つけることで、リサイクル製品を意識的に選ぶことができます。日常の買い物でこのマークを探してみると、想像以上に多くの製品が見つかるでしょう。
会社の頑張り
多くの企業がペットボトルリサイクルに積極的に取り組んでいます。大手飲料メーカーでは自治体と連携したボトルtoボトルプロジェクトを推進し、オフィスビルや店舗での回収活動を展開しているんですよ。
アパレル業界でも、ペットボトル由来の繊維を使用した衣類の開発が進んでおり、環境に配慮した製品として注目を集めています。これらの取り組みは、企業の社会的責任として今後ますます重要になってくるでしょう。
ペットボトルリサイクルの未来
ペットボトルリサイクルには課題もありますが、技術の進歩によって解決が期待されています。
まだある困りごと
現在のペットボトルリサイクルにはコストの問題があります。回収、運搬、処理にかかる費用が高く、自治体の財政を圧迫することがあるんです。
また、異物混入や汚れの問題も深刻で、タバコの吸い殻が入っていたり、油汚れがついていたりするとリサイクルできなくなってしまいます。リサイクルボックスに他のゴミが混入することも、作業効率を下げる要因となっています。
新しい技術に期待
これらの課題を解決するため、新しいリサイクル技術の開発が進んでいます。ケミカルリサイクル技術の向上により、汚れや異物があってもより効率的に処理できるようになってきているんです。
また、AI技術を活用した自動選別システムの導入により、作業効率の向上とコスト削減が期待されています。さらに、ラベルレスボトルの普及など、製造段階からリサイクルしやすい設計への取り組みも進んでおり、循環型社会の実現に向けて着実に前進しています。
まとめ
ペットボトルは私たちの生活になくてはならない容器ですが、使用後は驚くほど多様な製品に生まれ変わります。新しいペットボトル、衣類、食品トレー、日用品、産業用材料など、その用途は無限大なんです。
日本は世界最高水準の85%のリサイクル率を誇っており、正しい分別によってこの循環システムが支えられています。私たち一人一人が適切な分別を心がけることで、限りある地球資源を守り、未来の世代により良い環境を残すことができるのです。
お知らせ
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