産業廃棄物と一般廃棄物の違いとは?初心者にもわかりやすく解説-都市環境サービス

皆さんこんにちは。都市環境サービスの前田です。今回のテーマは「産業廃棄物と一般廃棄物の違い」です。会社から出るゴミの処理で「これって産業廃棄物?それとも一般廃棄物?」と悩んだことはありませんか?

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実は廃棄物の分類は法律で厳格に決められており、間違った処理をすると重い罰則が科せられることもあるんです。正しい分別は事業者の義務なんですよ。本記事では、産業廃棄物と一般廃棄物の違いについて、基本的な定義から実務で迷いやすいポイントまで詳しく解説していきます。

 

目次は以下の通りです。

 

①産業廃棄物とは何か
②一般廃棄物とは何か
③廃棄物20種類の分類
④処理責任の違い
⑤管轄の違い
⑥マニフェスト制度
⑦許可制度の違い
⑧間違いやすい廃棄物の区分
⑨特別管理廃棄物
⑩処理コストの違い
⑪委託契約書の違い
⑫保管基準の違い
⑬報告義務の違い
⑭罰則の違い
⑮実際の判断に迷うケース
⑯適正処理のポイント

 

産業廃棄物とは何か

産業廃棄物について正しく理解することで、適切な廃棄物処理の第一歩を踏み出すことができます。

 

産業廃棄物

 

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち法で直接定められた6種類(燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類)と、政令で定めた14種類の計20種類を指します。単純に「会社から出るゴミ」ではなく、法律で厳格に定められた20種類の廃棄物のみが産業廃棄物に該当するんです。

 

事業活動には製造業や建設業だけでなく、オフィスや商店での商業活動、学校などの公共的事業も含まれます。そのため、多くの事業者が産業廃棄物を扱っている可能性があるんですよ。例えば、一般的なオフィスでも使用済みのプリンターカートリッジは廃プラスチック類として産業廃棄物になります。

 

なお、産業廃棄物以外の廃棄物は一般廃棄物となります。この区分を正しく理解することが、適正な廃棄物処理の基本なんです。

一般廃棄物とは何か

一般廃棄物の定義を理解することで、事業から出る廃棄物の適切な分類ができるようになります。

 

一般廃棄物

 

一般廃棄物とは、産業廃棄物以外の廃棄物のことです。これだけ聞くと簡単に思えますが、実際は複雑なんですよ。一般廃棄物は具体的に以下の2種類に分けられます。

家庭廃棄物

まず「家庭廃棄物」です。これは家庭の日常生活から出るゴミのことで、皆さんが普段家庭で出している生ゴミや燃えるゴミ、資源ゴミなどが該当します。

事業系一般廃棄物

次に「事業系一般廃棄物」があります。これは事業活動で出た廃棄物のうち、20種類の産業廃棄物に該当しないものです。例えば、オフィスで従業員が個人的に食べたお弁当の容器や、会議で出たお茶がらなどが該当するんです。

 

ここで注意が必要なのは、会社で出た廃棄物=産業廃棄物とは限らないということです。実は、会社で出たゴミでも一般廃棄物に分類されるものがたくさんあるんですよ。この違いを正しく理解することが、適正な廃棄物処理には欠かせません。

廃棄物20種類の分類

産業廃棄物の20種類について詳しく知ることで、自社から出る廃棄物を正確に分類できるようになります。

あらゆる業種が対象の12種類

まず、すべての業種から排出される可能性がある12種類について説明します。これらは業種に関係なく産業廃棄物として扱われる廃棄物です。

 

あらゆる業種が対象となる産業廃棄物は以下になります。

 

・燃え殻:焼却炉の残さ
・汚泥:工場排水の泥状物
・廃油:潤滑油や洗浄液
・廃酸:pH2.0以下の酸性液
・廃アルカリ:pH12.5以上の液
・廃プラスチック類:樹脂製品
・ゴムくず:天然ゴム製品
・金属くず:鉄やアルミ片
・ガラス・陶磁器くず:破片類
・鉱さい:金属精錬の残さ
・がれき類:建設工事の破片
・ばいじん:集じん施設の粉じん

 

 

これらの廃棄物は、どの業種の事業所から出ても産業廃棄物として扱われます。例えば、オフィスから出る使用済みプリンターは廃プラスチック類、壊れたデスクは金属くずとして産業廃棄物になるんです。

特定業種のみ対象の7種類

次に、特定の業種からのみ産業廃棄物として扱われる7種類について説明します。これらは排出業種によって産業廃棄物か一般廃棄物かが決まる重要な分類です。

 

特定業種のみが対象となる産業廃棄物は以下になります。

 

・紙くず:建設業、印刷業等
・木くず:建設業、木材業等
・繊維くず:建設業、繊維業等
・動植物性残さ:食品製造業等
・動物のふん尿:畜産農業のみ
・動物の死体:畜産農業のみ
・動物系固形不要物:と畜場等

 

これらの廃棄物で注意が必要なのは、同じ材質でも排出業種によって分類が変わることです。例えば、建設現場から出る木材は産業廃棄物ですが、一般的なオフィスから出る木製の机は一般廃棄物になるんですよ。この違いを理解することが正しい分別につながります。

処理責任の違い

産業廃棄物と一般廃棄物では、処理責任の所在が大きく異なることを理解する必要があります。

産業廃棄物の処理責任

産業廃棄物の処理責任は明確に排出事業者にあります。これは「排出事業者責任」という重要な原則なんです。

 

産業廃棄物を排出する事業者は、自身の事業活動の中で発生した廃棄物を自己の責任で適正に処理しなければならないという法的義務を負います。これは廃棄物処理法第3条で明確に定められているんですよ。

 

たとえ処理を業者に委託したとしても、排出事業者の責任がなくなることはありません。委託した業者が不法投棄などの違法行為を行った場合、排出事業者も責任を問われる可能性があるんです。そのため、信頼できる許可業者を選び、適切な契約とマニフェスト管理を行うことが重要になります。

一般廃棄物の処理責任

一般廃棄物の処理責任については、市町村が基本的な責任を負うとされています。しかし、事業系一般廃棄物については注意が必要なんです。

 

廃棄物処理法第4条では、市町村がその区域内における一般廃棄物の減量や適正処理に必要な措置を講ずるよう努めるとされています。ただし、これは「努めなければならない」という努力義務の規定なんですよ。

 

一方で、事業系一般廃棄物については、事業者が適正処理の責任を有している点に注意が必要です。つまり、事業から出た廃棄物は、一般廃棄物であっても事業者が自己責任で処理することが原則となっているんです。この点を誤解して適切な処理を怠ると、法令違反となる可能性があります。

管轄の違い

産業廃棄物と一般廃棄物では、監督する行政機関が異なることを知っておくことが大切です。

 

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事業系一般廃棄物は市町村が管轄し、産業廃棄物は都道府県(もしくは一部の政令指定都市、中核市)が管轄となっています。この管轄の違いにより、許可や届出の窓口、処理基準、指導方針なども大きく異なってくるんです。

 

例えば、産業廃棄物に関する相談や許可申請は都道府県の環境部局に行いますが、事業系一般廃棄物については市町村の環境課や清掃局に相談することになります。また、処理業者の許可も、産業廃棄物は都道府県、一般廃棄物は市町村がそれぞれ行うんですよ。

 

市町村と都道府県ごとに廃棄物に関しての受入基準やガイドラインが定められています。そのため、事業所の所在地によって適用される基準が異なる場合があります。新しい事業所を設立する際や、廃棄物の処理方法を見直す際には、必ず管轄する行政機関に確認することが重要なんです。

マニフェスト制度

マニフェスト制度について理解することで、産業廃棄物の適正処理を確実に行うことができます。

マニフェストとは

マニフェストとは、産業廃棄物の適正処理を確認するための重要な管理システムです。正式には「産業廃棄物管理票」と呼ばれるんです。

 

マニフェストは、処理委託した産業廃棄物が契約内容どおりに適正処理されたかを確認するための管理伝票です。産業廃棄物の処理を収集運搬業者や処分業者に委託する際、排出事業者は専用の伝票を交付し、それを管理することによって産業廃棄物が適正に処理されていることを把握しなければなりません。

 

このマニフェストには、廃棄物の種類、数量、運搬業者名、処分業者名などが記入されており、委託した産業廃棄物の処理が終わるまで、これらの廃棄物とともに移動します。処理が完了すると、各段階で写しが排出事業者に返送され、適正処理の確認ができる仕組みになっているんですよ。

マニフェストの義務

マニフェストの交付と管理は法律で義務づけられており、違反すると重い罰則が科せられる可能性があります。

 

産業廃棄物を委託処理する場合、マニフェストの交付は廃棄物処理法で義務づけられています。マニフェストに関する規定に排出事業者が従わなかった場合は、廃棄物処理法違反とみなされ、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられるんです。

 

マニフェストの交付義務違反となる具体例は以下になります。

 

・マニフェスト未交付での委託
・虚偽記載での交付
・法定期間内の確認不履行
・マニフェストの紛失
・保存義務違反

 

一方、事業系一般廃棄物には委託契約書を交わすことは必要ですが、マニフェストを交付する義務はありません。ただし、一部の自治体では条例により、大量の事業系一般廃棄物についてマニフェストに準じた管理を求める場合もあるので注意が必要です。

許可制度の違い

産業廃棄物と一般廃棄物では、処理業者に必要な許可の種類や取得方法が大きく異なります。

産業廃棄物の許可

産業廃棄物の処理業許可は、都道府県が管轄する複雑なシステムになっています。適切な許可業者を選ぶことが重要なんです。

 

産業廃棄物の場合は、収集を行う場所(積込地)と処分を行う場所(積降地)ごとに管轄する都道府県から許可をとらなければなりません。また、取り扱う品目ごとの許可も必要なんです。

 

例えば、東京都で廃プラスチック類を収集して神奈川県の処分場で処理する場合、東京都の収集運搬業許可と神奈川県の処分業許可の両方が必要になります。さらに、廃プラスチック類以外の金属くずも扱う場合は、それぞれの品目について許可を取得する必要があるんですよ。

 

この許可制度により、処理業者は限定的な業務しか行えないため、排出事業者は委託する廃棄物の種類と処理方法に応じて、適切な許可を持つ業者を選ぶ必要があります。

一般廃棄物の許可

一般廃棄物の処理業許可は市町村が管轄し、産業廃棄物とは異なる特徴があります。許可の取得は非常に困難とされているんです。

 

事業系一般廃棄物は、市町村から「一般廃棄物処理業」の許可を受ければ全ての一般廃棄物を処理することができます。産業廃棄物のように品目ごとの許可は必要ありません。

 

ただし、一般廃棄物の収集運搬業および処分業は、その区域を管轄する市町村長の許可を得ることとなっています。市町村長の裁量度合いが大きく、要件が整っていても許可申請が通るとは限らないんです。

 

これは、一般廃棄物の処理が市町村の事務とされており、民間業者への委託は補完的な位置づけとされているためです。そのため、多くの市町村では新規の許可発行を制限しており、既存の許可業者数も限られているのが現状なんですよ。

間違いやすい廃棄物の区分

実際の現場では、同じ材質の廃棄物でも排出条件によって分類が変わるケースが多々あります。

紙くずの区分

紙くずの分類は、排出業種によって産業廃棄物か一般廃棄物かが決まる代表的な例です。同じ紙製品でも処理方法が変わるので注意が必要なんです。

 

一般オフィスから出る書籍やダンボールは一般廃棄物に該当します。一方、工事現場から出るダンボールは産業廃棄物に該当し、印刷工場から出る書籍やダンボールも産業廃棄物になるんです。

 

これは、紙くずが産業廃棄物となるのは特定の業種(建設業、パルプ製造業、製紙業、印刷業など)から排出された場合に限られているためです。同じ材質の紙でも、どこから出たかによって分類が変わるということを覚えておくことが大切ですよ。

木製品の区分

木製品についても、材質だけでなく排出業種が重要な判断基準となります。見た目が同じでも分類が異なる場合があるんです。

 

スチール製の机は産業廃棄物の金属くずに該当します。しかし、木製の机は産業廃棄物に該当しないため、一般廃棄物として扱われます。木くずとして産業廃棄物になるのは、建設業や木材製造業などの特定業種から排出された場合のみなんです。

 

このように、材質だけでなく排出業種も重要な判断基準となります。同じオフィス家具でも、材質によって処理方法が変わることを理解しておくことが、適正な分別につながるんですよ。

混合廃棄物の扱い

複数の材質が混合した廃棄物の分類は、特に注意が必要な複雑なケースです。適切な判断ができないと法令違反となる可能性があります。

 

天然繊維と合成繊維の混合割合によっては、「総体として産業廃棄物」又は「総体として一般廃棄物」とみなすことができます。しかし、天然繊維50%・合成繊維50%の場合は、産業廃棄物である廃プラスチック類と事業系一般廃棄物である天然繊維の混合物となり、総体として産業廃棄物とすることはできないんです。

 

このような場合は、産業廃棄物処理業者と一般廃棄物処理業者の両方の許可を持つ業者に委託するか、不可分一体のものを分離する必要があります。実際の処理では困難な場合が多いため、事前に処理業者と相談することが重要なんですよ。

特別管理廃棄物

危険性の高い廃棄物については、通常の廃棄物とは別に厳しい管理基準が設けられています。

特別管理産業廃棄物

特別管理産業廃棄物は、人体や環境に深刻な影響を与える可能性があるため、特に厳格な管理が求められます。

 

産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性、その他人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するもので、政令で定めるものを特別管理産業廃棄物といいます。これらは通常の産業廃棄物と比較して、排出から処分までの過程でより一層厳密な管理が必要となるんです。

 

特別管理産業廃棄物の主な例は以下になります。

 

・廃油:揮発油類、灯油類
・廃酸:pH2.0以下の強酸
・廃アルカリ:pH12.5以上の強アルカリ
・感染性廃棄物:血液付着物等
・PCB汚染物:変圧器等
・廃石綿:アスベスト含有物

 

これらの廃棄物は、特別管理産業廃棄物処理業の許可を持つ業者にのみ委託することができます。通常の産業廃棄物処理業者では取り扱うことができないため、事前に確認することが重要なんですよ。

特別管理一般廃棄物

一般廃棄物の中にも、危険性が高く特別な管理が必要なものがあります。家庭や事業所から排出される可能性があるので注意が必要です。

 

一般廃棄物の中でも、毒性や爆発性などを有した特に危険なものは「特別管理一般廃棄物」と呼ばれ、より厳格な管理が求められます。これらは主に医療機関や研究施設から排出されることが多いんです。

 

特別管理一般廃棄物には、感染性一般廃棄物やPCB使用部品などがあります。例えば、医療機関から出る使用済み注射器や血液が付着したガーゼなどが該当します。これらは一般の廃棄物とは分別して保管し、専門の処理業者に委託する必要があるんですよ。

 

事業所でこれらの廃棄物が発生する可能性がある場合は、事前に管轄する市町村に相談し、適切な処理方法を確認することが大切です。

処理コストの違い

産業廃棄物と一般廃棄物では、処理にかかる費用体系が大きく異なることを理解しておきましょう。

産業廃棄物の処理コスト

産業廃棄物の処理費用は、市場原理によって決まるため、廃棄物の種類や処理方法によって大きく変動します。

 

産業廃棄物の処理費用は、廃棄物の種類、量、処理方法によって大きく異なります。特別管理産業廃棄物の場合、通常の産業廃棄物よりも高額になる傾向があるんです。

 

処理費用の設定は業者によって異なり、競争原理が働くため、複数の業者から見積もりを取ることが一般的です。ただし、あまりにも安い料金を提示する業者は、不適正処理を行う可能性があるため注意が必要なんですよ。

 

また、処理費用には収集運搬費と処分費が含まれます。遠距離の運搬が必要な場合や、特殊な処理が必要な廃棄物の場合は、費用が高くなる傾向があります。適正な価格で信頼できる業者を選ぶことが重要なんです。

一般廃棄物の処理コスト

一般廃棄物の処理費用は、市町村の条例や方針によって設定されるため、地域によって大きく異なります。

 

事業系一般廃棄物の処理費用は市町村によって設定が異なり、家庭ごみと区分して有料とする自治体が多くなっています。料金体系も自治体によって様々で、重量制、容量制、定額制などがあるんです。

 

一部の自治体では、事業系一般廃棄物を家庭ごみと一緒に無料で回収している場合もありますが、近年は適正な負担を求める傾向が強くなっています。また、許可業者に委託する場合の料金についても、自治体が上限を設定している場合があるんですよ。

 

事業所の所在地によって処理費用が大きく異なる場合があるため、事前に管轄する市町村に確認することが大切です。

 

委託契約書の違い

産業廃棄物と一般廃棄物では、処理を委託する際の契約内容や管理方法に違いがあります。

産業廃棄物の委託契約

産業廃棄物の委託においては、法律で詳細な契約内容と管理方法が定められています。適切な契約と管理を行わないと法令違反となります。

 

産業廃棄物を委託する場合の必要事項は以下になります。

 

・収集運搬業者の許可確認
・処分業者の許可確認
・処分先施設の確認
・委託契約書の作成と保存
・マニフェストの交付と管理
・処理状況の確認と報告

 

 

これらの手続きは全て法律で義務づけられており、適切に行わないと排出事業者責任を問われる可能性があります。特に、許可の確認については、許可証の写しを入手するだけでなく、許可の有効期限や取扱可能な廃棄物の種類まで詳細に確認する必要があるんですよ。また、契約書は5年間の保存義務があります。

一般廃棄物の委託契約

一般廃棄物の委託は、産業廃棄物ほど詳細な管理は求められませんが、適正処理の確認は事業者の責任です。

 

事業系一般廃棄物の場合、契約書の作成は必要ですが、産業廃棄物ほど詳細な管理は求められません。ただし、適正処理の確認は事業者の責任なんです。

 

マニフェストの交付義務はありませんが、一部の自治体では条例により、大量排出事業者に対してマニフェストに準じた管理を求める場合があります。また、委託業者が適切な許可を持っているかの確認は必要なんですよ。

 

契約書には、廃棄物の種類、処理方法、料金、責任分担などを明記し、適正処理が行われることを確認することが大切です。問題が発生した場合の対応についても、事前に取り決めておくことが重要なんです。

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保管基準の違い

廃棄物の保管方法についても、産業廃棄物と一般廃棄物では異なる基準が適用されます。

産業廃棄物の保管基準

産業廃棄物は、法律で定められた厳格な保管基準に従って管理する必要があります。違反すると行政指導や罰則の対象となる可能性があります。

 

産業廃棄物は、収集されるまでの保管基準が定められています。具体的な保管基準は以下になります。

 

・飛散流出防止措置の実施
・悪臭防止対策の実施
・害虫発生防止対策の実施
・適切な標識の設置
・保管場所の囲いの設置
・保管高さの制限遵守

 

これらの基準を守ることで、周辺環境への影響を防ぎ、適正な管理を行うことができます。保管場所には、廃棄物の種類や管理責任者の連絡先を記載した標識を設置する必要があるんですよ。また、保管できる期間にも制限があり、原則として収集までの間の一時保管に限られています。

一般廃棄物の保管基準

一般廃棄物の保管基準は、各市町村の条例によって定められているため、地域によって内容が異なります。

 

事業系一般廃棄物は法令で定められた統一的な保管方法はないため、市区町村が定めた条例に従います。多くの自治体では、家庭ごみに準じた保管方法を求めているんです。

 

一般的な保管基準としては、指定された容器や袋の使用、収集日当日の朝の排出、カラスや動物による散乱防止などがあります。事業所によっては、専用の保管場所の設置や定期的な清掃を求められる場合もあるんですよ。

 

各自治体の条例や指導内容は異なるため、事業所の所在地を管轄する市町村に具体的な保管方法を確認することが重要です。適切な保管を行うことで、周辺環境への配慮と法令遵守を両立できます。

報告義務の違い

廃棄物の排出量や処理状況について、行政への報告義務にも違いがあることを理解しておきましょう。

産業廃棄物の報告義務

産業廃棄物については、多量排出事業者を中心に詳細な報告義務が課せられています。適切な報告を行わないと指導の対象となります。

 

産業廃棄物を年間1,000トン以上排出する事業者(多量排出事業者)は、処理計画書と実施状況報告書の提出が義務づけられています。これらの書類には、廃棄物の発生量、処理方法、減量計画などを詳細に記載する必要があるんです。

 

また、全ての排出事業者は、マニフェストの交付状況について年1回の報告が義務づけられています。この報告書には、交付したマニフェストの種類別枚数や処理委託先などを記載するんですよ。

 

報告書の提出期限や様式は都道府県によって異なる場合があるため、管轄する行政機関に確認することが大切です。報告を怠ると行政指導の対象となる可能性があります。

一般廃棄物の報告義務

一般廃棄物についても、一定規模以上の事業者には報告義務が課せられる場合がありますが、産業廃棄物ほど厳格ではありません。

 

事業系一般廃棄物についても、多量排出事業者に対する指導制度はありますが、産業廃棄物ほど厳格ではありません。多くの自治体では、一日平均10kg以上または月平均300kg以上の事業系一般廃棄物を排出する事業者を多量排出事業者として位置づけているんです。

 

これらの事業者には、減量計画書の提出や定期的な報告を求める自治体が増えています。ただし、報告内容や頻度は自治体によって大きく異なるため、所在地の市町村に確認することが必要なんですよ。

 

近年は、事業系一般廃棄物の減量やリサイクル推進のため、報告義務を強化する自治体が増加傾向にあります。

罰則の違い

廃棄物処理法の違反に対する罰則も、産業廃棄物と一般廃棄物では重さが異なります。

産業廃棄物の罰則

産業廃棄物の不適正処理に対しては、非常に重い刑事罰が科せられる可能性があります。経営に深刻な影響を与えるレベルの処罰です。

 

産業廃棄物の不法投棄や無許可処理などの違反行為に対しては、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはこれらが併科されてしまうことがあるのが現実です。法人の場合は、3億円以下の罰金が科せられることもあるんです。

 

また、マニフェスト関連の違反についても、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。さらに、行政処分として許可の取消しや事業停止命令が出される場合もあるんですよ。

 

これらの罰則は年々厳罰化の傾向にあり、社会的制裁も大きいため、適正処理の徹底が不可欠です。違反が発覚すれば、企業の信用失墜や事業継続に深刻な影響を与える可能性があります。

一般廃棄物の罰則

一般廃棄物についても罰則規定はありますが、産業廃棄物と比較すると軽い場合が多いのが実情です。

 

一般廃棄物についても罰則規定はありますが、産業廃棄物ほど重くない場合が多いです。不法投棄の場合は5年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金が科せられる可能性がありますが、実際の適用は産業廃棄物ほど厳格ではないんです。

 

多くの場合、最初は行政指導から始まり、改善されない場合に措置命令や罰則が適用される段階的な対応が取られます。ただし、大量の不法投棄や悪質な事案については、一般廃棄物であっても重い処罰が科せられることがあるんですよ。

 

近年は、事業系一般廃棄物についても適正処理の重要性が高まっており、指導や処罰が強化される傾向にあります。軽微だからといって油断せず、適正な処理を心がけることが大切です。

 

実際の判断に迷うケース

現場で実際に判断に迷いやすい具体的なケースについて、正しい分類方法を解説します。

コンビニエンスストアの例

コンビニエンスストアから出る廃棄物は、商品の種類によって産業廃棄物と一般廃棄物が混在するため、適切な分別が重要です。

 

有価物とならないものについては、ペットボトル、空き缶、プラスチックごみは、産業廃棄物(廃プラスチック類、金属くず)に該当し、コンビニエンスストアが排出事業者となります。紙ごみについては、一般廃棄物なんです。

 

食品残さについては、コンビニエンスストアは食料品製造業ではないため、一般廃棄物として扱われます。ただし、弁当やおにぎりなどの容器包装は廃プラスチック類として産業廃棄物になるんですよ。

 

このように、同じ店舗から出る廃棄物でも、材質や用途によって分類が変わるため、適切な分別と処理業者への委託が必要です。混合廃棄物として処理する場合は、産業廃棄物として扱うのが安全な判断となります。

製造業の事務所

製造業の事務所から出る廃棄物は、工場との位置関係によって分類が変わる複雑なケースです。

 

紙加工品製造業に係る紙くずは産業廃棄物となりますので、製造工程を有する工場と同一敷地内にある事務所で発生する紙くずは、法令上は、産業廃棄物に該当します。一方、工場とは別の場所にある事務所(例えば本社機能のみの事務所)で発生する紙くずは、いわゆるオフィスごみであって、一般廃棄物に該当するんです。

 

ただし、建設業に係る紙くず・木くず・繊維くずについては、「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る」と発生工程が限定されているため、建設業者の工事現場の事務所から発生する紙くず等は、一般廃棄物となります。

 

このように、同じ業種でも業務内容や発生場所によって分類が変わるため、個別の判断が必要なんです。

適正処理のポイント

廃棄物の適正処理を確実に行うための具体的なポイントをまとめて説明します。

 

適正な廃棄物処理を行うためには、事前の確認と継続的な管理が不可欠です。以下の手順で進めることをお勧めします。

 

まず事前確認として、廃棄物の種類を正確に判断するための確認事項は以下になります。

 

・排出される業種の確認
・廃棄物の材質成分の確認
・発生工程の詳細確認
・法令20種類への該当性確認
・特別管理廃棄物の該当性確認

 

これらの確認を行うことで、適切な分類と処理方法を決定できます。判断に迷う場合は、より厳しい基準を適用するか、専門家に相談することが安全な対応となるんです。

 

次に、処理業者を選定する際の確認事項は以下になります。

 

・適切な許可の保有確認
・許可の有効期限確認
・取扱可能廃棄物種類確認
・処理能力と実績の確認
・適正な処理費用の確認
・処理施設の見学実施

 

適切な業者選定により、安全で確実な廃棄物処理を実現できます。安価な業者に安易に委託するのではなく、信頼性と適正性を重視した選定が重要なんですよ。

 

最後に、書類管理については、委託契約書やマニフェストなどの書類は、法定期間中の保管が義務づけられています。紛失しないよう適切に管理し、定期的な見直しを行うことで、継続的な適正処理を確保できます。これらのポイントを押さえることで、法令遵守と環境保護を両立した廃棄物処理が可能になるんです。

まとめ

産業廃棄物と一般廃棄物の違いについて詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。「うちの会社から出るゴミは産業廃棄物?一般廃棄物?」という疑問から始まり、処理責任やコスト、罰則まで大きな違いがあることがお分かりいただけたと思います。

 

適切な分別ができていないと、知らないうちに法令違反を犯してしまい、重い罰則や社会的制裁を受ける可能性があります。しかし、正しい知識を身につけて適正な処理を行えば、環境保護に貢献しながら安心して事業を継続できるんです。

 

まずは自社から出る廃棄物の種類を正確に把握することから始めてみてください。判断に迷った場合は、管轄する行政機関や専門家に相談することをお勧めします。適正な廃棄物処理は、持続可能な事業運営の重要な基盤なのです。

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都市環境サービス,プラスチックリサイクル,前田 隆之